挿絵として使われたものが多くふくまれています。また、本サイトでご紹介している作品は、原田の作品群のごく一部となります。
※著作権保護の観点から、画像の解像度を落として掲載させていただいております。
板画師 原田維夫がもっとも得意とする分野のひとつです。
おもに、海音寺潮五郎、吉川英治、司馬遼太郎、陳舜臣、宮城谷昌光、山本一力、安部龍太郎といった歴史小説家の作品の挿絵や装丁を手がけてきています。
ありがたいことに、原田が挿絵を提供させていただくと、その作家さんが文学賞などを受賞しブレークする※、というジンクスをもつ挿絵家としても一部で、すこしばかりの評価をいただいています。...なんともうれしいかぎりですネ。
※1991年の宮城谷昌光さんにはじまって、山本一力さんの場合、2002年開催の原田の個展を見に来てくださった直後に直木賞を受賞、2012年には安部龍太郎さんもみごと、同賞を受賞されました!
祭りは人間の躍動感、高揚感が凝縮され、それが古来の風習や装束とあいまって、独特な雰囲気をかもし出します。
ゆえに、版画というある種のふるくて素朴な手法になじみやすい題材です。
実際の迫力をおつたえしようと、できるだけその祭りの文化的背景を把握し感じとる、あるいは祭りが実際におこなわれている空間に身をおく、などの工夫をかさねています。
建築物は、けっこう難易度がたかい分野なんですネ。
まずは邪念をはらい、精神を統一し、細やかななかにも緩急をつけながら直線美や曲線美、そして建物がもつ文様などを最大限に生かすかたちで、ていねいに彫りあげていきます。
人物画のうち、とくに若いころは「女性」は得意な分野ではありませんでした。
ですが、とにかく、ストレートに、感じたままに、女性独特の仕草や特徴を表現することにより、なんとか原田独特の女性画として一定の評価をいただけるまでになりました。
ぎゃくに「働く人たち」は、動きがあってこちらまで一緒に体が動いてしまうような感覚になるので、気持ちが刀にのりやすく、彫りの線もなめらかになる気がしています。
動物を描くときのポイントは、特徴の描写もさることながら、その動物が「どんな気持ちでいるのか、いま何をしようとしているのか、何をしたいのか」を想像することなんです。
つまり、動物たちの意図や意思もイメージすることにより、彼らの躍動感や存在感がつたわるようになると思うんですよ。
馬の画については、むかしから午年は飛躍する年、とか、馬はけっして左にはたおれない、といういわれがあり「事業や商売が左前にならない」(=左に対する厄除け)ということで、馬は縁起のよい動物ということになっています。
馬九頭をまるく描いて、「何事もま~るく、馬九行久(うまくいく)」とか、何事も順調にいく招福駒として飾るならわしもふるくからあります。
そんな縁起なども意識して、馬たちを彫ってみました。